管理人兼、看護師兼、施術家の雨崎です。
看護師×施術家の視点から考えるコラム、今回は「頭痛」について。
看護師 × 施術家の観点からみる頭痛
頭痛とは『首から上に生じる痛み』
頭痛とは、首から上(頭部)に生じる痛みを指します。
具体的には、骨膜や硬膜、頭皮や頭を覆う筋肉、脳神経や太い血管などが刺激を受けたり炎症するなどして生じる痛みのことです。
- 緊張性頭痛:2200万人
- 片頭痛:840万人
- 群発頭痛:1万人
- クモ膜下出血・脳腫瘍による頭痛:1万人〜3万人
そもそも痛みを感じる理由は、『神経の走行に刺激を受ける為』
痛みが発生するのは、痛みの伝達経路である「痛みの受容器 – 神経伝導路 – 中枢」のどこかに刺激が加わるためです。
この経路のどこかが刺激を受けることで、その刺激が中枢に伝えられ、私たちは痛みとして感じているのです。
脳には痛みの受容器はない
先ほど説明した骨膜や硬膜、頭皮や頭を覆う筋肉、脳神経や太い血管などには『痛みの受容器』が存在するため、刺激を受けると痛みを感じる、という事です。
色々な頭痛の種類
頭痛の種類は大きく分けると、 ①脳の病気から生じる頭痛と、 ②脳の病気以外で生じる頭痛に分類されます。
脳の病気からくるものは危険性が大きく(脳腫瘍やクモ膜下出血、髄膜炎に伴う頭痛)、 一方で病気由来ではないものは比較的危険性が小さいです(片頭痛、緊張型の頭痛)。
片頭痛は「拡張した血管が、周囲の神経に触れて痛みが生じる」
片頭痛とは、ズキズキとした痛みが特徴的な頭痛です。
血管は血流に合わせて収縮・拡張しているのですが、 血管がヒスタミン(血管を拡張させる物質)などにより過度に拡張した場合、血管の外側にある痛みの受容体に接触、刺激されるのです。
その結果、痛みを感じる知覚神経が脳に信号を伝え、痛みとして知覚するわけです。
緊張型頭痛は「筋肉がこわばり、発痛物質が蓄積して生じる」「ストレスにより、痛みを感じやすくなる」
身体的・精神的ストレスにより顔面の筋肉の緊張が続いたり、 頭部、頸部、肩甲部の筋肉の緊張が続いた場合に生じることがあるのが緊張性頭痛。
筋肉が緊張した状態が続くと、筋疲労を起こし、筋肉に発痛物質が蓄積したり、 あるいは、ストレスにより脳内の痛みの調整機能がうまく働かかずに痛みが生じます。
「足の怪我が、回り回って頭痛のきっかけになることも?」施術家の観点から紐解く
実は、足の怪我が頭痛のきっかけになることも?
「なぜ足のトラブルが頭の痛みに?」
例を挙げて見てみましょう。
ケース①
まず身体の仕組みとして、強い衝撃を受けた組織は、収縮し硬くなります。
今回の場合、怪我により衝撃を受けた右足首の結合組織が、収縮し固まっている可能性がある、ということです。
ここで重要なのは、右足首が収縮し固まるということは、その分右足全体の長さが縮んでいる、という点。
そうなると、身体全体は右側に落ちる形で傾き、左右のバランスを崩します。
しかし人間は、平衡感覚を保つため、左右の目線を地面と平行に保つよう、身体を歪めるなどして、姿勢を調整する特性を持ちます。
つまりどういうことか?
今回のケースでは、右側に傾いた身体を地面と平行にするため、腰から上(脊柱)を歪める可能性がある、ということです。
『右に傾いたシーソーを、土台を左に歪めることで平行にする』かのように、 脊柱が途中から左に湾曲し、頭部及び左右の目を地面と水平に保とうとするのです。
こうなると頭部のバランスは保たれるわけですが、 しかし脊柱が歪むことで、今度は脊柱の一部である首には負担がかかるようになります。さらにその首と地続きになっている頭部の筋肉にも負荷が及ぶ恐れがあります。
先程説明しました、「衝撃を受けた箇所は収縮し固まる」。
「負荷のかかった頭部の筋肉は収縮し硬くなり、頭蓋を圧迫することで頭痛が生じる」可能性があるというわけです。
一連の流れのおさらい
①右足が怪我
②右足の組織が反応、収縮
③身体のバランスが右側に下がる
④脊柱を左に変形させることで目線のバランスを保つ
⑤脊柱(首)の負荷が頭部に影響
⑥頭部の筋肉が収縮、圧迫され頭痛が生じる
もちろんこれはあくまで一つの見立てですが、 このように「一見頭部から離れた箇所のトラブルも、頭痛に繋がっている可能性がある」という見方もあるのです。
頭痛時に行いたいケア
- 安静
- 鎮痛薬(痛みが強い場合)
- リラクゼーション
- マッサージ
- アロマテラピー
- 冷却(片頭痛の場合、血管の拡張を抑えるため)
- 強い香りや音を抑えるよう環境調整(ストレス緩和)
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